現在、代表の下町が、2007青森県総合社会教育センターのすこやか子育てあおもりネットより
ビデオ収録取材を受けた時に、お話した内容です。
<草原稿>
テーマ「パパの子育て、でもそこにはたくさんの壁があった」
聞き手
「最近、ますます子育てに参画するお父さんが増えてきていると思います。
そこで八戸の子育て支援サイト「パパママふぁいと」代表の下町さんに、
お話を聞いてみたいと思います。よろしくお願いします。
下町
「よろしくお願いします。」
聞き手
下町さんには、現在小学校4年生と3歳の二人の娘さんがいらっしゃいますが、
お父さんとして、子育てで悩んだり、困ったりしましたか?
下町
え~、沢山ありました。
最初の子どもが生まれた時は、とにかく全てが初体験ですから失敗しましたね。
赤ちゃんを抱っこして、デパートの食品売り場で買い物をしていたら、おばさんがよってきて
「あら~かわいい赤ちゃんね」といってくれたのですごく嬉しかったのですが、
何ヶ月と聞かれて、ウキウキしながら2週間と答えたんですよ。
そしたら、おばさんが「ダメダメよ~」と「1ヶ月以上経たないと、こんな寒いとこに連れてきちゃだめよ~」と
教えていただいて、初めからダメ親を発揮して、恥ずかしい思いをしました。
聞き手
知らなかったんですか?
下町
全く、そのことは知りませんでした。
後はですね。
まず、最初に妻が妊娠したときから、子育ては二人でしましょうと話し合っていたんです。
例えば、出かけた時の赤ちゃんのミルク、オシメ替えは私の担当とかです。
ところが、これが予想もしない家族間のトラブルになったんです。
わかります?
聞き手
なんでしょう?
下町
妻と私が赤ちゃんを連れて、私の父と母と一緒に出かけた何回目かのときです。
妻が私にいつもどおり、「ハイ、オシメ取り替えておいてね」と言って、そばを離れて後、
うちの父と母がすごく怒りだしたんですよ。
「なんでいつも、お前がオシメ取り替えているんだ、周りをみてみろ、みんなお母さんだろ!」
こっちは見ていて恥ずかしいと凄い剣幕で怒ったんです。
なんとかその場はとりつくろったんですが、気まずい雰囲気になってしまいました。
そのことを後から妻に言うと「おじいちゃんもおばあちゃんも、も~古いよ考え方が・・
今は男も子育てに参加する時代なんだから」と言うわけです。
私としては、これがよく言う「姑と嫁戦争の始まりか」とゾッとしたのを覚えています。
ここでの教訓は、夫婦の間だけでなく、事前におじいちゃんやおばあちゃんにも
自分たちの子育ての仕方について話しておくことが大切ですね。
世代が違うので子育ての考え方が違います。
聞き手
そうですね。女と男の役割はこうあるべきという固定観念がありますよね。
だから、お父さんが育児に参加すると簡単に言っても、いろいろ壁がありそうですね。
下町
はい、壁が沢山ありました。
例えば、父親と母親の違いを思い知らされたことがありました。
長女が1歳位の頃、突然泣き出したのでおもちゃやなんかで、あやしたんですが何をやっても
泣き止まないのでほっておいたんです。そしたら、妻が来てあやしたらすぐに泣き止んだんです。
この時は、妻を凄いと思いましたね。
妻が言うには、あきらめずにいろいろたくさん試してみることが大事だし、
普段よく接していれば予想できるというわけなんですが、一般的に男性は苦手な点だと思います。
だからパパが育児をするうえでの大きな壁のような気がします。
聞き手
泣いた子供をあやすのは、一般的なパパは苦手だということですね。
下町
そうですね。男性は、女性のように繊細に相手の感情を読み取るようにできていないと思いますね。
だからどうしても苦手な部分は、必ずありますから夫婦でお互いを理解しあいながら、協力しあうことが大切ですね。
聞き手
なるほど、役割分担してても苦手な部分はお互いに助け合うということですね。
下町
ハイ。また我が家では、教育担当は私なので参観日は、すべて私が行っているんですよ。
聞き手
え!それは凄いですね。
下町
え~、でも参観日で、お母さん方がおしゃべりして情報交換しているのを聞いているとうらやましいわけですよ。
こっちは、毎回参観日に行くたびに、ほとんど1時間以上無口でいるわけですから辛いと感じるようになったんです。
聞き手
お母さんたちの会話に入っていくのは、難しいかもしれませんね。
下町
そうです。そこで少しずつはじめたのが、子どものお友だちのお母さんを見つけて
挨拶をするようにしました。
聞き手
それは、いいアイディアですね。
下町
おかげで、まだ少ないですが、お友達のお母さんの方から声をかけてくれる方もできて、
参観日でちょっとした情報交換もできるときがあって少し楽しくなりました。
まだまだですが・・・。
聞き手
よかったですね。
下町
ハイ、また、男親では知らないことを妻に教えてもらいましたね。
女の子は、小学校3年から4年生くらいでお父さんを嫌いになってしまう場合もあるというんです。
普段から遊ぶ時だけでなく、お父さんも宿題を見てあげたり、相談に乗ってあげたりしないと心が離れていくよと。
だから、私は、子どもがあなたによっていくように仕向けているんだよと妻が言うんです。
なんでも子どものことを妻一人でやらず、私にやらせているのはそんな理由があるということなんですよ。
聞き手
奥さん、考えてますね~。
下町
そうですね。妻にうまく乗せられている感じもしますが
今では、貴重な体験をさせていただいて感謝もしてます。
なぜなら、自分が育児に少しでも参加することによって男親として不便なこと
母親の立場から見ても不便なことにたくさん気づきました。
聞き手
なるほど、それで子育て支援サイトを立ち上げることになったんですね。
下町
そうです。残念ながら自分の最初の子どもが生まれた頃は、まだインターネットも各家庭に普及していませんでした。
でも今なら、パソコンや携帯からネットで情報を検索できる便利な時代になりました。
ネットには、子育てについてたくさんの情報がのっていますから利用することをお勧めします。
聞き手
そうですね。最後にひとことお願いします。
下町
子育ては夫婦二人でするものといっても、男性が入っていけない壁があります。
無理せず、奥さんの協力を得ながら少しずつ初めていくのがコツだと思います。
聞き手
ありがとうございました。
下町
ありがとうございました。
余談
ショッピングセンターの授乳室から、あわてて撤退。
いつものように、授乳室でミルクを作って子どもにあげようとしていた時、後から入ってきたママさんが、おっぱいをあげようとしているのに気づき、慌てて授乳室を出て、妻に愚痴ったことがありましたね。
「男がここでミルクあげてもいいのかよ~、まずくない。もし変な人と思われたらどうすんだ。」と、とても動揺してしまったことがあります。
※長女が0歳ですから、1997年の頃で、パパさんを授乳室で見かけることがほとんどなかった頃に、自分が奥さんのいいつけで入った時の出来事です。
部屋がピンク色なので、とても恥ずかしかったことを覚えています。
今ではパパさんの出入りも多く、母乳をあげるかた用に、カーテンもあるそうです。
育メンしやすい環境になってきましたね。
2007青森県総合社会教育センターのすこやか子育てあおもりネットサイトにて、立ち上げの理由などの記事が掲載されています。
http://kosodate-a.net/info/blog/log/eid50.html